先週、スペイン全体で大規模な停電がありました。日本でも大きくニュースになっていたと思いますが、あまり頻繁にあることではないので、記録も兼ねてここにまとめておこうと思います。
停電が起きたのは4月28日(月曜日)の昼12時半ごろで、その日は夫も有休を取っていて家にいました。私はスマホを見ながらソファでごろごろしていたところ、突然、夫がリビングに来て、「何かブレーカー落ちるようなことした?」と聞いてきました。
話を聞くと、夫が使っていたデスクトップPCの電源が急に落ちたらしく、「年数経ってるし、もしかして壊れちゃったんじゃない?」なんて話していたんですが、ブレーカーは落ちていないし、テレビもつかない。猫の給水器も止まっていて、そこでようやく停電だと気が付きました。
とはいえ、その時点では「このアパートだけかな?」くらいにしか思っていませんでした。というのも、他の住人の方が業者さんを呼んでるような気配があって、また、うちのアパートでは頻繁にエレベーターの修理が入ることがあったので、そのうち電気も戻るだろうと思ってしばらく様子を見ることにしました。
ただ、Wi-Fiも止まってしまっていたのでスマホからネットに繋いでいたんですが、時間が経つにつれてそれも不安定になり、そんな中、夫が「スペインとポルトガル全域で停電が起こってるらしい」という情報をネットで見つけてきて、そこでようやくうちの周りだけの話じゃないことに気がつきました。
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率直に言うと、こういうことが起こったときにスペインでは迅速な対応があまり期待できないと思っている(失礼)のと、復旧までに10時間くらいかかるという情報も出ていたので、ソーラー充電式の屋外用ランプやクリスマスシーズンに使っていた自動点灯の装飾ライトなどを、日当たりのいい場所に出して充電しておくことにしました。
水道はまだ普通に使えていたものの、このまま長引いたら水が出なくなるような気がしたので、簡易トイレが必要になったらペットシーツとビニール袋をセットして…など、なんとなくのシミュレーションをしていました。
すごい当たり前のことですが、電気もネットも生活する上では欠かせないものになっていて、自宅に居てもしばらくはただぼんやりしてしまったというか、今後の状況が気になって編み物などで時間を潰す気にもなれませんでした。
うちはお湯以外はすべて電気なので、夕飯は冷凍してあったパンを常温で解凍して、適当にハムを挟んでサンドイッチにしました。この時点で停電から8時間が経過していて、外もだんだん薄暗くなってきて、さすがにそろそろ復旧してくれないと冷蔵庫の中身が危ないかも…と焦りはじめた頃にようやく電気が戻りました。
幸いなことに充電したランプは出番がないまま済んだのですが、聞いた話では夜中になるまで復旧しなかった場所もあったようで、電気が戻ったタイミングはエリアごとにかなり差があったようです。
今回は私も夫もたまたま家にいたので家の中でやり過ごせましたが、もし外出していたらその日中に帰宅するのはかなり大変だったと思います。(実際、タクシーがつかまらずにヒッチハイクで帰宅した人もいたという話を見かけました)
SNSでは停電中にバルでみんなで歌って過ごした様子とか、スペインっぽいエピソードが出てきますが、みんながみんなそのように楽観視していたわけではなく、稼働しているATMでは長蛇の列ができたり(現金しか使えないので)、スーパーでは商品がごっそりなくなったところもあります。私は停電が起きてから4日後に食材の買い出しに行きましたが、一部の棚はまだ空っぽになっていて、特にスープの素や瓶詰めの煮豆、パスタなどの保存食はかなり品薄になっていました。
スペインは日本と比べて地震や台風などの自然災害が少ない国なので、防災意識が自分の中でも薄くなりがちでしたが、今回のことで3日間くらいは過ごせるくらいの備蓄やラジオなどの備えはあったほうがいいなと改めて思った出来事でした。