2023年の9月~1月までEOIのA2クラスに通いましたが、その後、2024年1月~6月までのB1クラスが終了したので、体験談をまとめたいと思います。
A2クラスのときの体験談はこちらで書いています。
使用したテキスト
![B1で使用した教材](https://spain-tokotoko.com/wp-content/uploads/2024/07/B1school_01-1024x683.jpg)
文法書のGramática Básicaは、A2のときに購入したものを引き続きそのまま使用しました。
リーディング用の本(一番右)は、先生から提示された3種類の本から1冊だけ好きなものを買えばよいという指示でした。ただ、校内の本屋さんにはこの1種類しか置いてなかったので、実質この1冊を購入して読んでいた学生が多かったです。
学生の割合
A2からB1の同じ時間帯のクラスに上がったクラスメイトは全体の3分の1くらいで、新規に入学した人も3分の1くらい、それ以外はB1クラスを再度やり直している学生や、別の時間帯のクラスから移動してきた学生がいました。(合計で30人)
前回のA2のクラスでもそうだったのですが、今回も男性がかなり少なく3人のみでした。
国籍の割合は中国が多めな感じで、クラス内に自分以外の日本人はいませんでした。(A1のときから全然会わないので、ここまで会わないと逆に不安になってきました…)
授業内容
これまでと同様、先生は担任制でした。A2の時の先生はちょっと厳しめの印象でしたが、B1の先生は比較的おっとりしていて、穏やかな雰囲気で授業が進みました。
ただ、教科書の内容を読んだり問題の回答をする際は挙手制だったため、話す人が固定されがちになってしまい、私を含むあまり前に出ない生徒は発言する機会がほぼないといった状況になりました。(引きこもり気質には挙手制は厳しい…)
宿題は前と変わらず毎日出題されましたが、Moodleというオンラインツール上にPDFの問題がアップされるケースも多く、プリントアウトしないと問題が解きにくい状況が続いたため、Amazonで安いプリンターを購入して自宅で印刷するようになりました。(スペインで何かを印刷したい場合、日本のコンビニのようにセルフサービスでデータを印刷できる場所がなく、CopisteríaやPapeleríaと呼ばれるお店に行き、お店宛てにデータをメールで送ったりUSBに入れて手渡しする必要があり、毎日となるとすごく面倒なので…)
B1で習った主な内容は以下の範囲です。
- 禁止などの表現:Se prohíbe, No está permitidoなど
- 仮定表現:Seguro que + indicativo, Es probable que+ subjuntivoなど
- 接続詞色々:De repente, Comoなど
- Perífrasis:Acabar de + infinitivo, Llevar + gerundioなど
- Imperativo afirmativo/negativo(肯定的/否定的な命令法):Habla/No hables
- Presente de subjuntivo(接続法現在):Hable
- Pretérito pluscuamperfecto(過去完了形):Había hablado
B1はsubjuntivoとpretérito pluscuamperfectoの、文章中での使いどころがやっかいなところだと思います。イレギュラーな動詞の活用はありますが、数は少ないので覚えるのはそこまで難しくありません。(と書きつつまだ覚えきれてないんですが…)
あとは、A2で学んだ未来形が、未来を言うとき以外にも使うという状況が出てきたりして、動詞の使い分けがちょっと大変になってきました…
ちなみに、授業ではsubjuntivoの後にimperativoを教わったのですが、imperativo negativoの動詞の活用はsubjuntivoの活用と同じなので、個人的にはこの順番での学習が分かりやすいと思いました。(先生によってはimperativoから先に教えている場合もあると聞きました)
試験について
A2では試験が途中で何回かありましたが、B1は最終試験が1回あるのみで、内容が濃くて時間も長く、かなりきっちりしたテストになっていました。
EOIでの試験結果は、スペイン国内で公的な語学力の証明として使えるので、外部から試験だけ受けに来た人も何人かいました。B1以上は試験だけEOIに受けに来ることもできるようです。(参考:Pruebas para la obtención de los certificados de los niveles intermedio B1, intermedio B2, avanzado C1 y avanzado C2 de varios idiomas. Convocatoria ordinaria. gencat.cat)
試験の詳しい内容は以下のような感じでした。
Comprensión escrita(50分):リーディング問題
DELE(スペイン語検定) B1の問題集を解いて試験対策をしていたのですが、出題形式は似ているようで似ていないところもありました。
単語を当てはめる文法問題的なものはなく、全問においてスペイン語の文章の読解力を問われる形でした。
Comprensión oral(40分):リスニング問題
実際のテレビ番組やニュースの一部をそのまま切り取った音声と、その映像を見ながら答える形式です。B1のレベルに合わせて作成された音声ではないため、普通にネイティブ向けのネイティブスピードです。
正直何言ってるのか全然分かんないという状態でした。(ほぼ雰囲気と勘で答えました…)
Mediación escrita(30分):ライティング問題(1)(資料をもとにアドバイスを書く)(100語)
友人などからアドバイスを求められているので、問題の下に書かれている資料を元にメールを書くという設定です。資料からある程度は引用できるため、下のライティングよりは比較的やりやすいです。
必要とされているアドバイスの内容の選別と、subjuntivo(仮定法)とimperativo(命令形)の表現が正しく使えているかがポイントっぽい気がします。
Expresión e interacción escrita(75分):ライティング問題(2)(1. 友人宛てのEメール 2. 自分の周りで起こった出来事)(各125語)
2つめのライティングは、B1で習った表現や文法は使えるだけ使うように、逆に言うとA1~A2範囲の文法だけだと点数が低くなると先生から言われました。
Expresión e interacción oral(25分):スピーキング問題(1)
クラスメイトとペアになって行ないました。それぞれ手元に別々の資料(写真)が渡されるので、写真の内容を口頭で説明したり、それに関連する自分の経験談を話したり、ペアの相手に質問したりなどをしました。
Mediación oral(5分):スピーキング問題(2)
これもペアで行ないました。類似しているけど内容の違うAとBの資料がそれぞれ配られるので(例えば、絵画教室Aと絵画教室Bの広告など)、資料の内容を口頭で確認し合って、最終的にAとBのどちらが自分たちの希望に合っているかを話し合って結論を出す、という流れでした。
どちらが正しいかを見つけるのが目的ではなく、あくまで話し合いの内容を見られている感じでした。
なお、スピーキングは他の試験とは別日にランダムに設定されて行いました。
上のテストの中でも、「Mediación」というテスト項目はあまり馴染みがなく、辞書で調べても意味がちょっと捉えにくいのですが(「仲裁」や「取り次ぎ」という意味らしいです)、どうやら手元にある情報を要約したり中継する能力を評価する項目らしいです。(参考:Mediación – EOI SAN SEBASTIÁN DE LOS REYES (madrid.org))
合格(APTO/A)するためには、各項目(20点満点)で最低50%(10点以上)取る必要があり、トータルでは65%(65点)以上が必要でした。結果はぎりぎりでしたがなんとか合格しました!
![B1のテスト結果](https://spain-tokotoko.com/wp-content/uploads/2024/07/B1school_02.png)
試験の結果は学校のサイトにログインすると自分の結果が見られるようになっていましたが、学校に行くと(各個人の名前は伏せた状態で)クラスメイト全員分の得点や試験結果が掲示板に貼りだされていたようで、全体の57%が合格、20%が不合格、23%が試験欠席、という結果でした。
試験の結果を確認した後は、次の9月からのコースを優先的に申し込みすることができます。合格できなかった場合は、再度同じコースを取ることができるようになっていましたが、2回目、3回目となると授業料が割増しになるようだったので(公立なのでそれでもかなり格安ですが)、できれば1回で目的のレベルまで達成できると良いように思いました。