私がスペインに住み始めてから約2年が経ちます。猫たちと一緒に引っ越してきたことがついこの間のように感じますが、こちらでの生活を通して色々な気付きや発見があったので、日々の経験に基づいてスペインと日本との間での文化的な違いを簡潔にまとめてみました。
食事のスタート時間が遅い
スペインでは昼食は14時前後、夕食は21時前後のスタートが一般的です。
レストランは1日中開いているところもありますが、例えばお昼の営業時間は13時~16時、夜は20時~24時という設定になっているところもあります。
私は未だに遅いのはちょっと慣れていないので、外食するときは開店時間で予約することが多いです…
地方公用語が重要視されているエリアがある
スペインではスペイン語以外にも、ガリシア語、バスク語など一部の地方によって使われている別の言語があります。
私が住んでいるバルセロナの場合はスペイン語に加えてカタルーニャ語が使用されていて、小学校や中学校でもカタルーニャ語で授業が行われているため、こちらの学校の子供たちは基本的にカタルーニャとスペイン語のバイリンガル(親が外国人の場合はトリリンガルだったり、プラス英語も習得していればそれ以上になるらしい)です。
日々の生活でどれくらいカタルーニャ語があるのかというと、例えば、電車内での注意書きはスペイン語とカタルーニャ語が併記されていたり、駅名、道の名前などはカタルーニャ語のみの表記だったりと、外を歩けばどこかで必ずカタルーニャ語が目に入ります。カタルーニャ語でしか書かれていない広告や案内などもあるため、普段の生活で目から入る情報から単語を覚えようとすると、これはスペイン語じゃなかった…ということがあります。
電車内が騒がしい
電車の車内では、電話を掛けたり受けたりする人が少なくありません。(マナー違反というわけではないみたいです)
こちらではWhatsAppというメッセージアプリ(LINEと同じようなもの)が主流ですが、アプリ上でボイスメッセージを録音してそれを相手に送る方法でのやりとりも一般的で、電車内でそれを聞いたり、録音している人も度々見かけます。
日本だとほぼあり得ませんが、ヘッドホンを使わずに音声を出した状態で動画を見る人もいるので、車内は静かにしないといけないという雰囲気はありません。
街中にゴミ箱&ベンチが多く設置されている
目に入る範囲のどこかにゴミ箱とベンチが見つかるくらいたくさん設置されています。ゴミ箱内のゴミは定期的に回収されているので、ゴミが溢れたりしていることはないです。
家庭ゴミを回収する場所(巨大なコンテナボックス)自体もたくさんあるため、日本のコンビニのように公共のゴミ箱に家庭ゴミを捨てるというような問題は起きていないっぽいです。
ベンチは都市部でも常に埋まっているようなことはなく、ちょっと休憩したいときに気軽に座ることができるので便利です。
牛乳は常温で売っている
牛乳は開封前は常温で長期保存できるパッケージに入って売られているのが主流です。開封後は要冷蔵です。(日本の豆乳みたいな感じ)
売っているときから要冷蔵のフレッシュな牛乳もありますが、売り場の面積が全然違うので、購入する人はあまり多くないように思います。
お店に置いてあるドリンクのシュリンク(パッケージ)は自分で破る
お水のペットボトルやコーラなどの缶商品は、スペインではシュリンク(プラスチックのパッケージ)で6~8本くらいがまとまった状態のままで陳列されていることがあります。
バラで買いたい場合は、自分でそのシュリンクを手で破って取り出すか、すでにシュリンクが破れているところ(他のお客さんが破ったところ)から欲しい分だけ取り出します。箱に入っている商品の場合は箱を破ります。
購入前なのに商品のパッケージを破るというのが今でもちょっと違和感を感じます。
夏は肌の露出が高い
夏場は短パンを履いている女性(特に十代前後)に遭遇することが多いのですが、それはおしりの下部分が露出しているのでは…??という短さの短パンを履いている人がいます。
服の上から乳首の位置が見える状態になっている人もいて(ブラをしてない??)、ちょっと目のやり場に困るときがあります。
EASTPAKのリュックを使っている学生が多い
EASTPAKというブランドのリュックを持ち歩いている学生を駅でよく見かけます。
もともとアメリカのブランドで、米国の陸軍向けに作っていたため耐久性がいいらしいというのと、このブランドを使っていれば観光客っぽく見えなくなってスリに狙われにくくなるかなと思い、私も真似して2つ買いました。
A4が入る通常サイズと、旅行用のちょっと大きいサイズを購入したのですが、大きいほうは2泊3日くらいまでの旅行の荷物が入って、LCCで機内持ち込みができるので週末旅行のときは常に使っています。
形や色のバリエーションが多いので、周りに持っている人がたくさん居てもあまり人と被ることはなさそうな気がします。
お店での接客対応にバラつきがある
フレンドリーな対応をしてくれる人ももちろんたくさんいるのですが、いわゆる塩対応な人も多いです。対応をしてくれればまだ良いほうで、レジ前にお客さんが待っていても店員同士でずっと喋っているという状況もよく遭遇するので、会話が終わるまでしばらく待つというのも日常的にあります。
これに関しては現地のスペインの方もあまり良く思っていないらしく、Googleマップ上のお店のレビューにはそういった対応に対して不満が書かれていることもあります。
(主にスーパーで)レジで会計する商品数が少ない時、順番を譲ってくれることがある
レジで会計待ちをしているときに、カゴを使わず商品を1、2点くらいしか持っていない場合、自分の前に並んでいた人が会計の順番を譲ってくれることがあります。(たいてい「¡Pasa, pasa!」と言われます)
逆に、自分の後ろに並んだ人からは「譲ってくれない?」と言われることもあるので、明らかに会計が自分より早く終わる人を先にレジに通してあげるという文化があるようです。
修理や手続きに対しての対応が遅い
全体的に色々なことに対して、迅速に何かを対応してくれるということがほとんどない気がします…
例えば、駅で改札とホームを繋ぐエスカレーターの修理に1カ月近くかかっていたり、自宅のシャワーが壊れたときに修理を頼んでも実際に家に来たのは数週間後だったり、日本の運転免許証をスペインの免許証へ交換したときは受け取るのに2カ月近くかかったりと、一般的に早めの対応が求められるようなものであってもそんなに急いでない感じがします。
というわけで、自分の中で気になった文化の違いをまとめてみました。
スペインで考え方や文化の違いを目にしたとき、日本だったらこうなのに…と改めて日本の文化や暮らしの便利さを思い返すことがよくあって、たぶん海外に住んでいる日本人のほとんどが、なにかしらそう感じる事柄を持っていると思います。
多少ストレスを感じることもありますが、違いや発見を面白いと思うこともあるので、これからもそういうことを楽しんでいければいいなと思っています。