バルセロナから北の国境をすぐ超えた先にある、フランスのペルピニャン(Perpignan)という街に行ってきました。
バルセロナからペルピニャンまでは2時間半くらいで行くことができるのですが、前日にOmioを使ってBlablacar Busというバス会社の長距離バスを予約しました。
ふと週末にどこか行きたい気分になって行き先を検討していたのですが、ペルピニャンは時間的にもバルセロナからギリギリ日帰りできる範囲で、かつ交通費もすごく安くて(直前の予約でも一人あたり往復で約20ユーロでした)、行くと決めたらすぐに手配できるという手軽さもあって行くことに決めました。また、人生初の陸路での国境越えになるので、どんな感じになるのかちょっと興味もありました。
ちなみにペルピニャンはフランス領ですが、バルセロナと同じカタルーニャに属していて、旗のベースもとてもよく似ています(赤と黄色のストライプ)。また、話されている言語もカタルーニャ語とフランス語だそうなのですが、街中を歩いてみた雰囲気ではフランス語のほうをよく耳にしたような気がしました。
出発当日は高速バスターミナルのBarcelona Nordまで行き、電光掲示板の案内に沿って、指定の番号のバス停から朝の9時15分発のバスに乗って出発しました。Blablacar Busは、搭乗1時間前くらいにメールで座席番号が送られてくるシステムになっていて、それぞれ割り当てられた座席を利用する流れでした。
途中で国境を超えるため、乗車前にはQRコードのチケットに加えて、パスポートをバスの運転手さんに提示する必要がありましたが、空港とは違って軽く確認されただけでした。また、国境近くでバスが止められて、パスポートを別途チェックされたりするのかと想像していましたが特に何もありませんでした。
国境を超えたときは、「FRANCE」と書かれた大きな看板が道路の右手側に見えたのですが、そんな感じだったので、別の国に入ったという感覚はあんまりなかったです。
その後は、こちらのペルピニャンのバスターミナルに到着しました。実はバスターミナルについてあまりちゃんと調べずに来てしまっていたのですが、ペルピニャンの中心部からは徒歩で25分ほど離れたところにあります。
すぐ近くに川が流れているのでそれに沿って東側に歩いていきましたが、川沿いの街路樹の様子からバルセロナとは違った雰囲気を感じました。
ペルピニャンの中心部に着いたあとは、時間的にまずはお昼ご飯ということでハンバーガーを食べました。
事前にGoogleマップでいくつか候補のお店を検索していたのですが、レストランのお昼の開店時間が12時スタートのところが多くて、スペインとの文化の違いを感じました。(スペインは13時~14時スタートが多いです)
その後はサン・ジャン大聖堂(La cathédrale Saint-Jean-Baptiste de Perpignan(Perpignan Cathedral))に行ってきました。こちらは14世紀前後に着工されたゴシック様式の大聖堂です。内部は無料で見学できました。
次に、19世紀に建てられた豪華な邸宅で、現在は美術館として公開されているHôtel Pamsに行ってきました。室内の壁にはたくさん素敵な絵が描かれていたのですが、すごくミュシャっぽさを感じました。
雰囲気がかなり似ていて気になったので調べてみたところ、この邸宅を購入したピエール・バルドゥが所有していた、「JOB」という紙巻きたばこのブランドの広告をミュシャが描いていたため(ミュシャの作品の中でも有名なJOBと書かれているポスターです)、ここにある絵とも何らかの繋がりがあるんじゃないかと思いました。
最後に、マヨルカ王国の王宮(Le Palais des rois de Majorque)に行きました。こちらは13世紀に建てられた城塞で、中世の雰囲気が残っていました。
中から階段を上って城壁に行くと、ペルピニャンの街やピレネー山脈が一望できました。
お城の中は、メインのルートの他にも開いている(入れる)ドアがいくつもあり、その中のひとつは部屋の壁全体がプロジェクションマッピングされていて、マヨルカ王国時代の四季を表していたり、ガーネットを使った装飾品が展示されていたりなど、隠し部屋(?)がいっぱいありました。(期間によって内容が入れ替わるのかも?)
私は石沼にちょっと足を突っ込んでいるので、ガーネットの展示内容はすごく興味深かったです。
ペルピニャンは、私が訪れた日は教会の周辺で中世の服装をしている人がたくさんいて、イベントをやっていた影響もあってか、かなり人出が多くてとても賑やかでした。
ただ、街歩きをしていた際に、治安というか雰囲気がちょっと悪いと感じるところもあって、そのあたりの道は早歩きで立ち去りました(実際パトカーと警察官が来ていて何か揉めてる人たちがいました)。その場所自体は薄暗いとか狭いというわけではなく、普通に店舗もたくさんある通りでしたが、移民っぽい若者が何人か外に立っていて、不穏な雰囲気があるような感じです。
帰りのバスに乗るためにバスターミナルに戻ったときも、周辺にそんな雰囲気の人たちがいたり、バス待ち中に明らかにバスの乗客ではない人に話しかけられたりもしたので、ちょっと警戒が必要なところもあるように思いました。
ただ、ペルピニャンはカタルーニャということもあって、建物の色合いがバルセロナに近い街並みのように思うので、ちょっと違った雰囲気のフランスを見られる面白いエリアだと思います。
それから、ペルピニャンでは教会とお城の中に記念メダルの自販機があり、無性に欲しくなったので自分用のお土産として購入してきました。(各2ユーロ)
こういうのを旅行先で集めていくのも面白そうだなと思ったので、今後もメダルの自販機を見つけたら買ってこようと思います。